2017年2月3日金曜日

『この世界の片隅に』緊急上映決定!

こんにちは。
緊急上映決定で、びっくりしてる方も多いはず。
「この世界の片隅に」
©こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
ビックリです。
そう。
スタッフもビックリ。
上映まで1週間を切っての緊急上映。
しかも、「艦これ」のときにご説明したような単純な“ムーブオーバー”ではなく、
(参照:http://moriokachugeki.blogspot.jp/2017/01/blog-post.html
フォーラムさんでもまだ絶賛上映中。。。
これは・・・・・正確な業界用語はあるかどうかわかりませんが、
とりあえず“緊急拡大上映”?ってところですかね。
こういう場合、もう私たちに選択権などはありません。
うちの社長ですら、
「なんかそうなっちゃった。テヘッ」
て感じで(^-^;)
・・・・いいんですよ、私は全然。
だって、観たかったから(^▽^)/
もう、こうなったらそれだけです。
決まったならやるんです。
たとえ上映まで1週間切ってても。
宣伝期間、ほぼゼロでも。
大人だからね!
それにしても、大人がたくさん観に行くアニメの大ヒットが続きますね。
「君の名は。」ももちろんですが、
この作品も大人がたくさん観ているみたいです。
もともとクラウドファンディング(インターネットを通じて企画に賛同する人たちから資金を集めること)で製作された作品なので、「この映画が観たい!」というたくさんの人たちの声に支えられて作られているんですよね。
私は、数年前に“こうの史代”さんの原作を友人に借りて読んだのですが、
あまりに感動して、その後、自分でも買いました。。。
そんなふうに原作が大好きで、どうしてもアニメで観たいという人たちが集まって作られた作品なんですね。
とにかくこの方の作品、ほんとに絵がきれいで!
今まで、実写映画化とかドラマ化もいくつかあったんですけど、
やっぱりこの絵で観たいなあという気持ち、私もありましたもんね!
そして、広島出身なだけに戦時中の広島を舞台にしたお話が有名なんですが、
声を大にして反戦を訴えたり、
悲惨な部分を強調したメッセージ性の強いものを発表したり、
戦争とはこういうものだ、という感じの作品、
では全然ありません。
どこにでもある、普通の人々の暮らし。
戦争を描きたいのではなく、
戦時中であっても、毎日、夜がきて朝がくること。
騒がしく、恐ろしい時代であっても、静かに、日々の暮らしを紡ぐ人々の生活を、
市井の人々の日常を、詳細に、丁寧に描くのです。
それがかえって、平和への強い思いを呼びおこします。
私は昔、母親に無理やり映画館に連れていかれて(嫌だって言ってるのに!)、
「この子を残して」(長崎の原爆の映画)とか、
「黒い雨」(広島の原爆の映画)、
とかのがっつり原爆系の映画を観させられてトラウマになり、
戦争映画嫌いになって今でもどんなイケメンが出てても戦争映画だけは観られないし。
学校で「はだしのゲン」を回し読みした時期があって読んだけど具合が悪くなって保健室に行ったり。
夏休みの読書感想文に書けと「ガラスのうさぎ」(東京大空襲の話)を渡されたけど途中でゲンナリして読めなくなり、
最初の10ページくらい読んであとは戦争は嫌だみたいなことを適当に書いて終わったり。
「火垂るの墓」は悲しすぎてテレビでやってても絶対観ないし。
「もうほんとすみません!わかりましたから!」
って言いたくなるような戦争ものって、苦手なんですよね。。。
でも、この作品はそうではなくて、
どこにでもあるささやかな日常がどれだけ大切なものなのか、
それを感じることによって、戦争を考えさせられる、
そういう作品です。
戦争について、知らなくてはいけないというのはわかっているし、
きちんと知ることが大事というのも重々承知。
でも、違う伝え方もあるんじゃ?
といつも思っていた私が出会ったのがこの漫画でした。
主人公は、18歳のすず
突然の縁談で軍港の街・呉にお嫁に行くところから始まります。
映画でのすずさんの声は、“のん”。(本名を使っちゃいけないってどういうことなんでしょうね。。。)
「あまちゃん」で、主人公のアキをいきいきと演じ、一躍“時の人”となった彼女。
たしかに。
おっとりとした柔らかいイメージのすずさんのイメージ、ぴったりです!
それにしても彼女、方言のある役をやらせたらほんと天才ですね!
岩手県北部の訛りも最高でしたが、
今回の広島&呉の方言もまたかわいらしい♡
©こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

しかも、嬉しいことに、音楽がコトリンゴ
この方の声もすっごく優しくて柔らかくて、この作品にぴったり!
劇場版アニメ「くまのがっこう」で、ナレーションと主題歌を担当していて、
そのときにビビッとやられた私です。
なんていうか。。。。癒される(*´▽`*)
予告を観てみてくださいね♪
公式サイトhttp://konosekai.jp/
なんやかんやで、結局、私は上映が決まって単純に「ヤッター☆」って感じなんですが(・∀・)/
泣きます。
ほんと泣きます。
でも、あったかい。
これ、やっぱりたくさんの人が観たいと思う映画だったし、
観た人みんなが「もう一度観たい!」「誰かにすすめたい!」と思った映画なんでしょう。
ミニシアター系なのにものすごい大ヒット。
最近では「オケ老人!」もそうなんですが、
こういった「この世界の片隅に」のようなミニシアター系の良品が大ヒットする日本て、
まだまだ捨てたもんじゃないなと思いました。
こんなとき、私はとっても嬉しくなります。
ミニシアター系の映画というのは、大手メジャー系の作品と比べると、
やはりなかなか大ヒットが出づらいものでして。
予算も、キャストも、宣伝も、限りがあるわけで。
ミニシアター系っていうのはつまり、全国で上映するスクリーンの数が、
大手メジャー系の映画会社のものよりもずっと少ないということ。
それなのにこれだけの大ヒットというのは、なかなかないことなんです。
しかも、数々の映画賞を総ナメ中。
もちろん、やっぱり今年度は大人もこぞって観に行くアニメ映画で大手メジャー系のモンスター級のやつがあるので(What's your name?的な)、
興業収入や動員数ではかないませんが。
作品的な評価では、じゃっかんこちらに軍配があがっている様子。
もちろんどちらも面白くて素晴らしい、日本が世界に誇れるアニメ作品ですけどね!
でも、この上映が決まって、受付カウンターにチラシを置きだしたら、
「午前十時の映画祭」「オケ老人!」のお客さんが、
「あら、これやるの?いいわね!」と声をかけてくれたり、
「あ、これ観たい♪」とチラシを持っていってくれたりして、
けっこう反応が良くて、嬉しい驚きでした。
大人も、シニアも、『アニメ』というのに抵抗もなく、
ちゃんといいものを知っていて、観ようと思っているんですね!
すごくいいことだと思います(*‘∀‘)
そうやってたくさんの人がこの映画をスクリーンで観ることができるといいなあと思うし、
この漫画のこととか、こうの史代さんの作品の素晴らしさを知ってもらえるといいなあと思います。
その感動の先に、戦争への意識や感心が芽生えるものと私は思います。
私が自分の子供に戦争を教えようとするなら、迷わずこれを選びます。
被爆してドロドロになった体や、町中に転がる死体の映像とか、
傷口からうじ虫がわいている描写、
リアルな戦争体験記。
そういうのは、おいおいね。
これが戦争だ!とガッチリ説教くさくぶつけても、ききめがないかもしれないですからね。
そろそろ教えないとな、ってときは、この映画で、
優しい絵の、優しい声の、綺麗な色の、“そのころの暮らし”からにじみ出る戦争を感じるところからでいいんじゃないかなと思います。
何年後、何十年後にも伝えていきたい作品です。。。

スケジュールがぎゅうぎゅうの今月、なんとか入れた作品です。
一日一回しか回せないのはご容赦ください(>_<)!
フォーラムさんと、どちらか都合のいい時間を選んで観に来てくださいね♪
ティッシュかハンカチ(できればタオルハンカチ)必須!!



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